いい恋ってものは何年経とうともいい恋で。
未だに当時のことを思い出し、ふふんと顔が緩んでしまう。
交わした会話、その時々の仕草、二人で行った場所、その日の私の服…。
記憶は年々曖昧になるけれど、思わぬところで今まで思い出せなかった断片を掘りあてたりして嬉しくなる。

その頃。
私は結婚をしたばかりで、だけど二人の「好き」を止められなくて、時々逢っていた。
短い時間を用立てて、県外までドライブに行った。
一つでも一時間でも、二人の思い出に残るように。

別れる時は「私の転勤」と「私の妊娠」。
二人の間では分かっていても、それを口に出して確認し合った時は彼にすがって号泣した。

そして私の妊娠。
最後のぎりぎりまでどっちの子供か確信が持てなかった。
ずるい私は「どうか夫に似た子でありますように」と強く願った。

その割には最初に胎動を触らせたのも彼で、彼を誘ったのも私で、恐る恐るセックスさせたのも私だった。

生まれた子供は女の子。
主人にそれは良く似た女の子だった。
その娘は来年中学になります。



主人と出会ってなければ、この人が一番結婚に近い人だったと思う。


コメント

lister
2013年10月8日16:53

スリリングですね。もし子供の血液型がご主人との間であり得ないものだったら・・・そんなことを超越して好きな人との逢瀬でありのままを、心の命令するところに従って行うのは愛の達人にしかできません。私はできない。

ひこの
2013年10月8日17:55

listerさん
いやー、達人なんかじゃないです、本人もスリリングでしたよ!!
彼はB、主人はA、私はO。
だけどしちゃったものはしょうがない、と腹を括ってました。
なんて強運。
独身で寮暮らしの彼。
翌年の年賀状には「あなたに良く似た女の子です(笑)」と書き添えて遊んでみました(笑)

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